沖縄県糸満市の県平和祈念公園で23日、沖縄全戦没者追悼式が開かれた。今年の平和の詩は、県立宮古高校3年、仲間友佑さん(18)の作品「これから」。歴史と向き合い、未来に希望をもてる世界にしたいと言葉を紡いだ。

「平和の詩」を朗読する沖縄県立宮古高校の仲間友佑さん=2024年6月23日午後0時37分、沖縄県糸満市、有元愛美子撮影
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 沖縄県糸満市の県平和祈念公園で23日にあった今年の戦没者追悼式典では、県立宮古高校3年、仲間友佑さん(18)が、「平和の詩」に選ばれた「これから」を朗読した。歴史と向き合い、未来に希望をもてる世界にしたいと言葉を紡いだ。

 平和の詩の応募は34回目。仲間さんの詩は、県内の児童・生徒の計879作品から選ばれた。

 原動力となったのは、各地で続く戦争へのやるせなさだ。ウクライナやガザで、がれきの中で子どもが立ちすくむ姿。苦しくなり、「過去を振り返って、これから何ができるか考えたかった」。

 着想を得たのは、逆に穏やかな日常だった。5月初旬、自宅近くの砂浜をランニングしていると、砂浜で小さい子どもたちが遊んだり、外国人が集っていたりする風景が目に入ってきた。「ほのぼのして、平和だった。そういう雰囲気が、すごいことのように思えた」

 1週間ほどで作品を完成させた。父方の祖父母はすでに亡くなり、母方の祖父母は戦後生まれ。家でも戦争が話題に上ることは少ない。主にネットで沖縄戦の米軍上陸の経緯、被害が集中した場所や集団自決の背景を調べたり、証言を聞いたりした。

 小学校での平和学習の記憶も…

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